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Fitz Roy Trekking Day 2 朝日に染まるフィッツロイ
今回のフィッツロイトレッキングの目的は、朝日に染まるフィッツロイを見るため。
●満点の星空とフィッツロイ
朝5時、寝袋から抜け出し、テントの入り口を開けると外はまだ真っ暗。
昨日、エル・チャルテンのエントリーで確認した日の出の時間は7:15だったので、余裕を持ってキャンプ場を出発できる。
着替えなどを済ませ、5:30にPoincenotキャンプ場を出発。
昨日、ミラドールまでの道を途中までは確認しておいたので、真っ暗の中でもライト一つである程度方向感覚は掴める。
キャンプ場から近くの川へ降りて行き、橋を渡る。
ふと空を見上げると、暗闇の中にとんでもない数の星が。こんなにも天の川をくっきりと見たのは始めて。
この辺り、唯一ある明かりといえば、手元のライトのみ。そのため、今にも降って落ちてきそなくらいの星が見られるのだろう。
折角なので、星空の写真を撮っておきたかったが、日の出までの時間も迫っていたので時間のかかる星空の撮影は諦め、フィッツロイが赤く染まるミラドール「Lag. de los Tres」を目指し、足を進める。
出発から30分程で最初の目印にしていたキャンプサイト Rio Blancoへ到着。
昨日の下見ではここまで来ていなかったので、この先たどり着けるか心配だったが、幸いにもキャンプサイトにミラドール Lag. de los Tresへの標識が立っていた。
ここまでの道のりは比較的平坦な道だったが、看板によるとどうやらここから先は結構デンジャラスなトレッキングになるらしい。
今回は、パイネの時と違ってトレッキングシューズを借りずに、普通のスニーカーで来ていたのでちょっと不安。
どの位デンジャラスなのだろうか。
●朝日に照らされ次々と表情を変えるフィッツロイ
Climber Onlyのキャンプサイト Rio Blancoを越えると、急に山道が険しくなってきた。
大きめの岩がゴロゴロしてる急な山道。富士山登山の終盤のような感じ。
ただ、パイネの過酷なトレッキングを経験してきたし、このくらいの山道は登りきれるだろう。
1時間もすると、次第に東の空が明るくなってきた。
そして、視界の先には暗闇にそびえ立つフィッツロイの姿があらわに。ミラドールまでもうちょい。
キャンプ場を出発してから1時間ちょっと。7時前にはフィッツロイと朝日を見るのに最適なミラドール Lag. de los Tresに到着。
いよいよ、辺りは明るくなってきた。
ミラドールに到着し、待つこと約20分。吹きすさぶパタゴニアの冷たい強風にあっという間に体温を奪われ、岩陰で風を凌いでいると、さっきまで薄い水色のようなフィッツロイが急にオレンジに染まってきた。
これが噂の神の世界が見える瞬間か。と、ここへ来てにょきっと伸びるフィッツロイの山頂に雲が掛かってきた。
ん〜、ちょびっと残念。。
完璧な状態のオレンジに燃えるフィッツロイを見る事は出来なかったが、時間が経つにつれオレンジから黄金にフィッツロイの山肌が変化していく姿など、かなり美しい風景を見る事ができた。
そして、昨日から一緒だったヤハギさんがフィッツロイのミラドールで恒例の凧揚げ。パタゴニアの強風に凧が踊る。
気が付くとさっきまで朝日を見にきていた人々が一人もいなくなっている。さすがの寒さに、名残惜しい思いに後ろ髪を引かれつつ、8時くらいからキャンプ場に向けて下山開始。
行きでは真っ暗の中、それこそ闇雲に登っていたデンジャラスな山道。すっかり明るくなった帰り道で見ると、ホントにハードな山道なことに以外とびっくり。
●帰りはゆったりトレッキングを楽しむ
フィッツロイのミラドールから、帰りは1時間程でRio Blancoキャンプ場へ到着。
シゲルさんに借りたガソリンのストーブでお湯を沸かし、3人で朝食&コーヒーブレイク。10時を過ぎた辺りからようやくテントの撤収を始める。
それにしても、エル・チャルテンで借りたテントは快適だった。パイネの時の狭いテントとは大違い。1泊で終わってしまうのがもったいないくらい。
まあ、フィッツロイの朝日も見れたし、天候に恵まれて良かった。
エル・チャルテンまでの帰り道は、緩やかな下り坂と平坦な道が続く。途中、昼食を食べたりゆったりとロス・グラシアス国立公園のトレッキングを楽しむ。
●エル・チャルテンからエル・カラファテへ
エル・チャルテンからエル・カラファテへのバスは8:00、13:00、18:30の一日3本。
13:00のバスには余裕で間に合わなかったので、エル・カラファテ行きの最終バス18:30までエル・チャルテンのバスターミナルでひたすら待つことに。
しかし、この町フィッツロイ以外何もない。椅子ですら、バスターミナルに3つあるのみ。
18時過ぎにようやくカラファテ行きのバスが到着したため、3人で乗り込み早起きだったせいかあっという間に熟睡。
気づいたらエル・カラファテへ到着。
○エル・チャルテンからエル・カラファテへの行き方
エル・カラファテからエル・チャルテン行きのバスチケットを往復で購入し、帰りのチケットに日付が入っていないオープンチケットの場合(当日のうちに帰らない場合など)、エル・チャルテンのバスターミナルのバス会社のカウンターでチェックインが必要。
ちなみに、バスチケットは片道で買っても往復で買っても値段は一緒。
エル・チャルテンからエル・カラファテまでは所要3時間。
●Fuji旅館で引き続きキャンプ生活
エル・カラファテでは、今回もチャルテンに行く前に泊まっていたFuji旅館にステイする。
宿に到着し、夕食後キャンプ生活でたまった洗濯をしていると、なんだか水道の出が悪くなってきた。
そして、ついに宿の設備の全ての水道がダウン。
どうやら2階に水を汲み上げるポンプが故障したようで、1階にある水撒き用の水道からは何とか水が出る。
そのため、生活用水をバケツや鍋に汲み、皆で何とかその晩を凌ぐ。バケツの水で顔を洗う生活。キャンプ生活がやっと終わったと思っていたのもつかの間、パタゴニアの大地恐るべし。
※ちなみに、オーナーさんの迅速な対応で翌日の朝には水道設備はきちんと回復しました
●エル・カラファテの安宿 Fuji旅館
エル・カラファテにある日本人宿「Fuji旅館」は、エル・チャルテンに行く前に泊まっていた宿。
今回は、ドミ部屋が1ベットしか空いていなかったため、ツインの部屋にステイ。
1人10ペソしか変わらないが、ツインの部屋は広くてかなり快適。
エル・カラファテの安宿 Fuji旅館 宿泊費用(ツイン):1人 50ペソ
かつや
Fitz Roy Trekking Day 1 フィッツロイ近くのキャンプ場へ一泊
パタゴニア周遊もいよいよ終盤。パイネ国立公園やロス・グラシアスの氷河などはすっかり満喫し、最後はフィッツロイ。
●エル・チャルテンの町でキャンプ用品をレンタル
今ステイしているエル・カラファテの町でもキャンプ用品のレンタルはやっているお店が何軒かあったが、微妙に高かったので今回のフィッツロイのトレッキングのキャンプ用品は、現地のエル・チャルテンで調達することに。
朝の7時にエル・カラファテの日本人宿Fuji旅館を出発し、バスターミナルから8時出発のバスでエル・チャルテンへ向かう。
◯エル・カラファテからエル・チャルテンへの行き方
エル・カラファテからエル・チャルテンへのバスは、それぞれの町のバスターミナルから毎日運行している。
時間はどちらも8:00、13:00、18:30の1日3本。所要3時間。
チケット購入もバスターミナルでできる。
移動費用
エル・カラファテからエル・チャルテンへのバス運賃:片道1人 75ペソ
しばらくバスに揺られていると、エル・チャルテンの町に着く手前でパタゴニアの山々の間からにょきっとフィッツロイの姿が見え出した。
今日は天気も良いし、なかなか楽しみ。
11時くらいにエル・チャルテンの町へ到着。まずは、国立公園内をトレッキングする際の注意事項など、ビジターセンターでレクチャーを受ける。
フィッツロイ(ロス・グラシアス国立公園)入場料:無料
エル・カラファテから乗ってきたバスは、終点であるエル・チャルテンのセントロにあるバスターミナルに到着。
まずは、キャンプ用品のレンタル屋さんを探さないと。
エル・チャルテンのバスターミナルにあるツーリストインフォで町の地図とレンタル屋さんの情報をGETし、何店か聞いてまわる。
今回のトレッキングでレンタルが必要な道具は、テントとマットくらい。必需品のクッキングストーブは、たまたまエル・カラファテの日本人宿Fuji旅館で再会したバイカーのシゲルさんに、ガソリンのクッキングストーブをお借りしたのですごく助かった。
結局、エル・カラファテで聞いたどのお店よりも安い、キャンプ用品のレンタル屋さんでテントとマットを調達。
まるで新品のような広いテントを格安で借りることができたので、フィッツロイのキャンプはかなり快適にできそう。
エル・チャルテン キャンプ用品レンタル費用
2人用テント 1泊:30ペソ
マット 1泊:6ペソ
●フィッツロイの無料キャンプ場 Poincenotへ
エル・チャルテンの町のはずれの登山道入り口から、フィッツロイトレッキングを開始。
最初の目的地は、トレッキングルート中盤のトーレ湖。
ここまでは、しばらく登りが続くため、余分に持ってきた食料とキャンプ用品の詰まったバックパックが肩に重くのしかかる。
パイネ国立公園のトレッキングで鍛えたとはいえ、なかなかきつい。
なんだかんだ景色を楽しみつつ、出発から1時間半くらいで最初の目的地トーレ湖へ到着。
トーレ湖で空になったペットボトルに水を補給し、今日の最終目的地ロス・トレス湖を目指しトレッキング再会。
ここからは比較的平坦な道で1時間ちょっとの道のり。。のはずが、いつまで経っても目的地のロス・トレス湖近くにあるフィッツロイの無料キャンプ場「Poincenot」に着かない。
公園内のところどころにある案内標識の到着予定時間はもうとっくに過ぎている。
ビジターセンターでもらった地図を改めて見る。
何かおかしい。
さっきのトレッキングコースの分岐点には「C. Fitz Roy」と「El Pilar」と書いてあった。
地図に書いてある分岐を見ると、フィッツロイ方面にはクライマー専用のキャンプ場 Rio Blancoがあり、El Pilar方面に目的の無料キャンプ場 Poincenotが表示されている。
ちょっと待てよ。
事前に調べた情報では、クライマー専用のキャンプ場 Rio Blancoの手前がPoincenotだったはず。
ということで、一旦しばらく歩いてきた道を戻り、疑惑の分岐点まで。
そこで、すれ違ったトレッカーに道を聞いてみる。
「ああ、Poincenotなら、El Pilar方面じゃなくてFitz Roy方面だよ」
やっぱり、この地図間違ってる。
山歩きでオフィシャルの地図が間違ってるなんて致命的。
疑惑の分岐点から目的のPoincenotキャンプ場まではほんの2、3分程で到着。
●フィッツロイの朝日ポイントのミラドールを下見
Poincenotキャンプ場では、エル・チャルテンの町で会ったヤハギさんと再会。
エル・チャルテンの町の宿がどこも一杯だったため、テントを借りてキャンプ場まで来たらしい。
折角なので、フィッツロイの朝日ポイントまで一緒に下見に行くことに。
キャンプ場から近くを流れる川に降り、フィッツロイの見える方向にあるそれっぽい道を進む。
しかし、いつまで経っても最初の目的地Rio Blancoキャンプ場に到着しない。それどころか、川沿いに出来たトレイルは次第に細くなり、最後は大きな川に挟まれる形で行き止まりに。
入場料といいキャンプ場といい、フィッツロイのトレッキングは基本無料なだけあって、なかなか楽しませてくれるぜ。
これ以上勘任せでウロウロするとさすがに遭難しそうなので、一旦Poincenotキャンプ場まで引き返してみる。
すると、キャンプ場近くに標識を発見。
「Rio Blancoはこっち」と書いてある。
標識を頼りにしばらく進んでみる。
さっき行く手を阻まれた大きな川にぶつかる。しかし、今回は正規のルートなのでちゃんと橋が掛かっている。
この川を渡る時に、辺りが真っ暗だと広い川原で先のトレイルを見失うという情報があったので、先の道をしっかり確認する。
Poincenotキャンプ場へ来るときと、フィッツロイのミラドールへの道で2度迷っただけあって、もうすぐ日没の時間。
朝日ポイントまでのミラドールの下見は、残念ながらここで終了。
まあ、これが本番じゃ無くて良かった。ぶっつけ本番だったら日の出の時間までには、確実にたどり着けなかっただろう。
●フィッツロイ&朝日が見れますように
今日の夕食は宿で作ってきたお弁当。
時間と火を節約できる最強のキャンプご飯。プエルト・ナタレスの宿で一緒だったトレッキングマスターのカップルがやっていた技。
それに加え、お借りしたガソリンストーブで温かいスープを作る。
日が暮れると同時に急に寒くなるPoincenotキャンプ場。パタゴニアは夏でも夜は特に冷える。
重い荷物を担ぎ、きつい上り坂を何時間も登った疲れた体も、星を見ながらの温かいコーヒーで一発で癒される。
シゲルさん、ありがとう!
明日は、朝日で染まるフィッツロイを見るために、日の出前にキャンプ場を出発する。
晴れますように。。
かつや